被ばく牛は軽度ストレス 原発事故、血液検査で判明

 東京電力福島第1原発事故で、原発から半径20キロ圏内に取り残され放射線に被ばくした牛が、軽度のストレス状態にあるとの研究結果を東北大の福本学(ふくもと・まなぶ)名誉教授(病理学)らのグループがまとめ、米オンライン科学誌プロスワンに23日までに発表しました。

 グループは2011年8月~12年8月、原発から半径20キロ圏内の福島県川内村など14カ所で、計49頭の牛から採血。内部被ばくと外部被ばくの放射線量も計算した上で、被ばくしていない宮城県や山口県の牛と血漿(けっしょう)成分を比較しました。

 その結果、内部被ばく線量と、ストレスの度合いを示す血漿成分の値に相関関係が見られました。内部、外部被ばく線量とも比較的低い値で、研究では低線量の内部被ばくが続くと軽度のストレス状態になると結論づけました。内部被ばくとストレスの関連性が示されるのは初めてといいます。

 福本さんは「牛の健康状態に大きな変化があるわけではないが、低線量被ばくの影響を示す重要な基礎データだ」と指摘。より長期にわたって研究を継続する必要性を訴えています。

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