治療内容とタバコの影響:マスキング(不顕性作用)
治療したのに、症状が出るということは、歯科の場合、20%から30%くらいあります。
永くても、数週間で安定してくる場合が多いですが、やはり
歯の内部の歯髄という非常に繊細な組織で、わずかな違いや、ミクロンレベルでの咬合圧の違いを感じとります。
根の先も針穴という感じの0,5mm位の穴を歯髄組織は通過しているので、刺激が積分されて多くなっていたり、
歯髄組織内を環流してる血液など体液が外部からの刺激(むし歯菌の外毒素、や酸、菌自体の侵入、温度、圧力)によって、
影響を受けて、炎症というスイッチが入ると、免疫系の細胞たちも集まってきて、充血や内出血、うっ血という状態で
通常に反応しないレベルの温度圧力にも過敏に感じる状態になります。単に刺激の蓄積での歯髄炎は単純性歯髄炎という病名で区分けされます。
症状は冷たいものにしみるや噛むとひびく程度で、数回咬合を弱く調整し、身体をリラックスしてもらって、安静にしていると、数回で症状はなくなり
正常な機能の歯髄に可逆性です。
しかし、単純性の炎症が原因で、血栓が出来、歯髄内で梗塞などがおきてくると、一時的な梗塞で再通過したり、または、梗塞の先の歯髄組織が壊死して
タンパク変性が起きたりしてくると、症状は、熱いものでも滲み、噛むとかなりはっきり痛く、歯が浮いてくる感じで、症状は数か月続くことが多く、
再通過したり、タンパク変性した部分を包み込めれば(包埋)、残りの歯髄組織で正常になり、症状はなくなります。
再通過もせず、歯髄壊死が進行して部分壊死から全体壊死になると、症状はなくなりますが、違和感がず~っと残ります。
喫煙している場合、この違和感はタバコの覚醒作用で、マスキングされてほとんど感じません。ただ、根尖に壊死変性組織に反応して
慢性病巣という、炎症性細胞の貯まりが出来、そこに、歯周病菌や口の中の菌が感染して感染根尖病巣になって、体調が落ちた時に
日和見発症して、急激な痛みと腫れ、、歯肉から膿が出ます。
こうなると感染根幹治療となり、根本治癒は難しく、根先の消毒を繰り返し、10年毎に再発症というケースが感染根治療では、60%以上にもなります。
今回は、虫歯も深くなく、症状の原因は歯髄組織の虚血による梗塞状態の発症が疑われます。
体液の流れ、環流には自立神経によるコントロールがあり、喫煙習慣は、その交感神経の過度の緊張を起すので、
虚血状態が緩和しないことが続くと、結果は良くありません。上記のように、感染病巣までできたりしにように、
3か月後にまだ、滲みたり、噛むと痛い場合は、積極的に非感染状態で、綺麗なうちに根管治療をします。
この場合は成功率90%で(5年後も10年後も安心できます。)
出来るだけ、神経は活きていることが歯が潤う、条件です。日常でのリラックスと、喫煙を控えてください。
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