缶入り食品が高血圧の原因に【米国心臓協会】

 米国心臓協会(AHA)は12月8日、食品用のビンや缶の内部塗装に使用するビズフェノールA(BPA)が高血圧を起こす危険性を示した研究を、Hypertension誌にて紹介しました。

 BPAは缶詰やプラスチックボトルのコーティングに広く使用されているエポキシ樹脂です。摂取すると、高血圧や心拍数変動を起こします。

 今回の研究は、60歳以上の成人(主に韓国人女性)60人を対象に、無作為化交差試験で検討。各被験者は3回にわたって研究施設を訪れ、無作為に供給されたガラスビン入り、あるいは缶入りの豆乳(血圧上昇をきたす成分が含まれていない)を摂取。摂取2時間後、被験者の尿中のBPA濃度、血圧、心拍数変動について検査を行いました。

 その結果、缶入り豆乳摂取群の尿中BPAは、ガラスビン豆乳摂取群と比較して最大1600%上昇。

 この研究は交差介入試験であるため、集団特性や既往歴など潜在的交絡因子のほとんどは調整が可能でしたが、試験を行った時期の気温など、時間的な交絡因子が結果に影響していることは考えられるとのこと。

 研究者は「缶入り飲料を2本飲むことで、収縮期血圧が5㎜Hg上昇し、臨床的に重大な問題が、特に心疾患や高血圧の患者に起こり得る」と指摘し、缶入り食品を避け、製造者がBPAに代わるコーティング材を開発する必要性を強調しました。

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