慢性皮膚炎が内臓に悪影響 三重大、動脈硬化や臓器肥大を引き起こす可能性も
アトピー性皮膚炎などの慢性的な皮膚炎は、動脈硬化や内臓疾患を引き起こす可能性があるという研究結果を、三重大大学院医学系研究科の山中准教授(皮膚科)らが20日発表したとのことです。
山中准教授らは、慢性的な皮膚炎のあるマウスを解剖し、内臓などを通常のマウスと比較。皮膚炎のあるマウスは大動脈が細く、弾力性が失われていたほか、肝臓や腎臓、脾臓の肥大化が確認されました。また、足先の血流が悪く、体温も低下していたとのこと。
原因について、山中准教授は、皮膚炎で「サイトカイン」と呼ばれる物質が分泌されたと説明します。
サイトカインは白血球に細胞の異常を知らせる役割を持ちますが、過剰に分泌すると体に悪影響をもたらす可能性もあると言います。
山中准教授は同日、同大で会見し、「皮膚疾患のある人に対して危機感をあおることが発表の目的ではない」としつつ、「皮膚炎だと気づかなかったり、安易に考えたりして、何年間も放置している人がいるのも事実。適切な治療を受けてほしい」と述べました。
今回の研究は、医学部生に積極的な研究を促す学内の講座「新医学専攻コース」の一環として行われ、受講生らが研究に協力しています。
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