寝ても疲れがとれない 発覚!悪魔の歯ぎしり
参考:2012年11月14日放送 ためしてガッテン
寝ている時のクセ“歯ぎしり”は、周囲が迷惑なだけでなく、本人にも様々な問題を引き起こす元凶。
口の中がボロボロになるだけでなく、頭痛、腰痛、ひざ痛など全身の痛みを引き起こすこともある。
あなたの歯ぎしりはどのタイプ?
歯ぎしりには、色々な種類がある。
◇「口破壊」歯ぎしり…歯が削れたり、ある日突然割れてしまったりと、口の中がボロボロになってしまうタイプ。
◇「全身破壊」歯ぎしり…なぜか、歯から遠く離れたひざや、腰、頭など全身に症状が出るタイプ。
◇「良い」歯ぎしり…なんと歯ぎしりをすればするほど健康になるというもの。
恐怖!「口破壊」歯ぎしり
●「口破壊」歯ぎしりは、「歯の磨耗・破損」から、二次的に「知覚過敏」「歯周病」「虫歯」を引き起こすことがある。
ひどくなると、小さく歯がすり減ってしまったり、突然歯が割れたりして激痛となる場合もある。
「歯ぎしりの力」を測ってみると、起きている時の2倍~4倍もの力で歯ぎしりをしていた。
ちなみに、歯ぎしりの力の強さと、音の大きさは関係ない。
健康に「良い」歯ぎしりとは?
起きている時よりも小さい力で歯ぎしりをしていたグループが「良い」歯ぎしり。
具体的に何が良いのか?
いやな胸焼けや胃のもたれ、時には、激しい胸の痛みが襲う病気「逆流性食道炎」。
胃酸などが胃から逆流することで、食道に炎症がおこるこの病気を、歯ぎしりは防いでくれる。
歯ぎしりによって歯をかみ合わせると、反射的に唾液が出る。
この唾液を飲み込むと、食道に逆流した胃酸を中和するので、炎症を防いでくれる効果がある。
他にも、ストレス物質が減るという研究や、血糖値や血圧が下がるという研究結果もある。
実は、歯ぎしりは多かれ少なかれ誰でもしているもので、軽い力で歯ぎしりをしている分には、体に良いものといえる。
カンタン!「口破壊」歯ぎしりの見分け方
では、自分がしているのは「悪い」歯ぎしりなのか、「良い」歯ぎしりなのか?
すさまじいパワーが歯や口にかかっているがゆえに、「口破壊」歯ぎしりをしている人の口の中には3つの
特徴的サインがある。
① 骨隆起 比較的骨が出やすい場所…下アゴの舌の下、上アゴの真ん中指で口の中を触るとわかる「ふくらみ」ができることがある。長いあいだ強い力がかかることにより、ひずみが生じた部分の骨が変形してしまってできると考えられている。ただし、骨が出ること自体は病気ではないので心配はない。
② くさび状欠損 歯の根元だけ欠けてしまった状態。強い力で歯が揺り動かされることで、根元にひびが入り、その部分に歯みがきなどの力がかかると、くさび状に根元だけが削れる特殊なかたちになる。
骨隆起、くさび状欠損のどちらか1つの兆候があれば、歯ぎしりによって強い力が加えられた証拠。
③「起床時のアゴのだるさ」
①骨隆起と②くさび状欠損のどちらか1つに加え、「朝おきたときにピークとなるアゴのだるさ」がある場合、睡眠中に強すぎる歯ぎしりをしている証拠となる。この条件にあてはまる場合は、歯科医の受診がお勧め。
「全身破壊」歯ぎしりの正体と見分け方
「全身破壊」歯ぎしりの正体…「噛みしめ」
ここぞというとき、人間は歯をくいしばりますが、噛むというのは、全身の筋肉の活動を限界以上まで引き出すためのスイッチになっている。そのため、寝ている間に歯を噛みしめている人は、本来体を休めるはずの睡眠中にもかかわらず、全身の筋肉をずっと酷使し続けてしまっているということ。
結果、頭から足の先までの様々な筋肉が疲労でボロボロになってしまい、「頭痛」「首の痛み」「肩こり」「腰痛」「ひざ痛」などを引き起こします。さらに、筋肉によって神経が圧迫され、「めまい」や「視力低下」「耳鳴り」なども起こることがある。
この噛みしめによる「全身破壊」歯ぎしり、音が出ないので発見しにくいばかりか、歯の磨耗がないこともあるので、本人も周囲の人もなかなか気づけない。
この見分け方も先ほどの「口破壊」歯ぎしりと同様、骨隆起やくさび状欠損、朝のアゴの症状でわかる。
歯ぎしり治療のポイントは?
歯ぎしりの治療法のポイントは“「歯ぎしりは治らない」ので、「良い歯ぎしり」に変える”というもの。
治療のもっとも手軽な方法はマウスピースがある。歯に過度にかかる力を分散させる効果があり、また、音も出なくなるので、症状がなくても音だけ何とかしたいという人にも効果的。
根本的な治療としては、かみ合わせ治療が中心になる。
歯を削ったり、足りない部分を付け足したりすることでかみ合わせを変えることができる。
また、全体的に治す場合は矯正などの方法がとられる。
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